
AIに任せられる仕事は、もっとAIに任せていきたい。
そのために、薬剤師もAIをしっかり学ぶ。頼れるところはフル活用する。私は、そんな働き方を目指しています。
理由はシンプルです。患者さんの話を聞く時間と、説明を磨く時間を増やしたいから。AIと相談しながら、どうすればもっと分かりやすく伝わるかを考えたいのです。
福岡市博多区の諸岡調剤薬局で薬剤師をしている山本です。
2026年10月7日、ウィーメックスが、薬剤師が患者さんに確認・説明する際の参考情報を生成AIで提案する機能を発表しました。正式な提供は10月下旬からの予定です。
患者さんへの説明の材料を、AIが一緒に考える。そんな道具が、薬局にも届こうとしています。
薬剤師も、AIを使いこなすために学ぶ
AIに仕事を任せるには、使う側にも勉強が必要だと思います。
何を頼めるのか。どんな条件を伝えると、目的に合う案が返ってくるのか。返ってきた内容を、どう確かめるのか。
同じ作業でも、伝える目的や条件を変えて試してみる。出てきた案を比べ、足りないところを伝え、やり直してもらう。そうした使い方を、自分も学び続けます。
国際薬剤師・薬学連合(FIP)の方針でも、薬剤師がAIについて継続的に学び、業務への導入や評価に参加することが勧められています。
薬の知識とともに、AIとの働き方も更新していく。これからの薬剤師に大切な姿勢だと、私は考えています。
任せるために、仕事を整理する
まずは、今の仕事を作業ごとに分けてみる。
公開資料の要点を整理する。患者さん向けの文章案をつくる。説明の順番を変えた案を出してもらう。掲示物や発信の内容を読みやすく整える。
こうした作業でAIを活用するなら、「何を仕上げてほしいか」を具体的に伝えることから始めます。
たとえば、公開された資料をもとに、「初めて読む人向けに、要点と次にできることをまとめてほしい」と頼んでみる。仕上がりを確かめ、必要な修正まで相談する。
AIができることや、自分が使える場面を学びながら、任せる仕事も広げていく。そうしてできた時間を、患者さんの話を聞き、説明を工夫することに使いたいのです。

AIと相談して、患者さんに伝わる説明をつくる
伝え方には、工夫できるところがたくさんあります。
専門用語を言い換える。話す順番を変える。大切なことを先に伝える。次にしてほしいことを具体的にする。
一般に公開されている健康情報で説明案をつくるなら、AIには、たとえばこう相談できます。
返ってきた案を読み、自分の意図を伝え直して、もう一度つくってもらう。いくつかの案を比べながら、届けたい内容に合う言葉を選んでいく。
説明するときには、患者さんが何を知りたいのか、何に困っているのかも聞く。その人の暮らしの中で、どう受け取られるかを考える。
AIと相談する中で、自分自身の伝え方も見直していきます。

確かめ方も含めて、仕事を任せる
医療の説明では、文章の読みやすさと一緒に、内容の正しさも確かめます。
AIがまとめた内容は、もとの資料に当たって確認する。短く言い換えたときに、必要な注意点や条件が抜けていないかも見る。説明する自分が理解したうえで、患者さんに届ける。
患者さんの情報を扱う業務では、利用する仕組みの情報管理や薬局内のルールの確認が必要です。ここで挙げた説明づくりは、氏名や処方内容を入力せず、公開情報を使って試す例です。
任せる作業と、確かめ方を一緒に考える。使った結果も振り返りながら、仕事の任せ方を育てていく。それも学ぶことの一部だと考えています。
AIと一緒に、薬剤師の仕事をよくしていきたい
説明した後には、どこまで伝わったかを患者さんと話して確かめる。その反応から、次の説明も工夫する。
AIを学び、仕事を任せ、相談しながら言葉を磨く。その積み重ねを、患者さんに届く仕事につなげていきたいです。
皆さんの仕事にも、AIに任せてみたい作業はありますか。
まずは一つ選び、「何のために、どんな形に仕上げてほしいか」を書き出してみてください。それが、AIに仕事を任せる最初の一歩になります。
参考情報(2026年10月16日確認)
ウィーメックス「生成AI服薬指導提案機能の発表」(2026年10月7日)
https://www.wemex.com/news/20261007_191.html
国際薬剤師・薬学連合(FIP)「Artificial Intelligence (AI) in Pharmacy Practice」(2025年8月31日採択)
https://www.fip.org/file/6354