
冷蔵庫に貼ったカレンダーの前で、ペンを持ったまま手が止まる。
熱が出たのは水曜日の夜。下がったのは日曜日。学校からは「解熱後2日」と聞いている。
「日曜日から数えるの? 月曜日から? 結局、何曜日から行けるんだっけ」
この数え方、意外とややこしいですよね。
こんにちは。諸岡調剤薬局の薬剤師、山本です。
今日は、インフルエンザの出席停止の日数を、カレンダーで一緒に数えてみます。
先に答え。条件は2つ、数えはじめは「0日目」
学校保健安全法施行規則では、インフルエンザの出席停止の期間を、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまでと定めています。
ポイントは2つです。
1つ目。「発症した後5日」と「解熱した後2日」の両方を過ぎるまで、お休みです。どちらか片方だけでは足りません。
2つ目。発症した日、熱が下がった日は、その日を0日目とし、翌日を1日目として数えます。
たとえば月曜日に熱が下がったら、火曜日が解熱後1日目、水曜日が2日目。この間に熱が出なければ、解熱後2日の条件は木曜日に満たされます。
「発症した日」はいつ?
発症した日は、病院を受診した日や、検査で陽性と出た日ではありません。原則として、熱が出た日です。
夜に熱が出て翌朝に受診した場合も、数えはじめは熱が出た日です。日付が分かりにくいときは、受診先に確認してください。
熱が出ないまま診断されることもあります。その場合は、診断のきっかけになった症状が出た日を起点に考えるとされています。迷うときは、受診先に聞いてください。
カレンダーで数えてみる(水曜日に発症した例)

水曜日の夜に熱が出た小学生を例にします。水曜日が0日目です。
発症後5日は、木(1日目)、金(2日目)、土(3日目)、日(4日目)、月(5日目)。月曜日が過ぎた火曜日から、発症の条件を満たします。
ここに、熱が下がった日を重ねます。
土曜日までに熱が下がった場合は、月曜日までに解熱後2日が過ぎます。発症後5日も月曜日で過ぎるので、火曜日から登校できます。
日曜日に熱が下がった場合。月曜日と火曜日で解熱後2日が過ぎるので、登校は1日遅れて水曜日からです。
幼稚園の子どもは規則で、保育園の子どもはガイドラインのめやすで、解熱後3日で数えます。同じ水曜日発症なら、金曜日までに熱が下がれば火曜日から、土曜日に熱が下がれば水曜日からです。
発症の条件と解熱の条件、遅いほうの日が登校(登園)できる日になります。
間違えやすい3つ
1つ目は、熱が下がった日を1日目と数えてしまうこと。下がった日は0日目です。1日早く数えると、まだ条件を満たしていない日に登校することになります。
2つ目は、受診した日を発症日にしてしまうこと。熱が出た日と受診した日がずれると、数えはじめもずれます。
3つ目は、薬で早く熱が下がったから、早めに行けると考えること。日本学校保健会の解説では、抗ウイルス薬で早く熱が下がった場合も感染力は残るため、発症した後5日を経過するまでは出席停止とされています。
熱がまた上がったら、解熱剤で下がったら
数え方の例は、熱が下がったあと、その間に熱が出ない場合のものです。
一度下がった熱がまた上がったときに、どこから数え直すかは、私が確認した資料には書かれていませんでした。自分で数え直さず、受診先と学校や園に相談してください。
解熱剤を使って一時的に熱が下がっただけのときに、その日を解熱日と考えてよいかも、資料に決まった書き方はありませんでした。こちらも、受診先や学校、園に確認してください。なお、保育所のガイドラインでは、解熱剤を使っている場合は登園を控えるのが望ましいとされています。
書類と、医師の判断
施行規則には、病状により学校医その他の医師が感染のおそれがないと認めたときは、この限りでないというただし書きもあります。日数は基準です。判断に困るときは、学校医や受診先の医師に相談してください。
治癒証明書などの書類について、日本学校保健会の解説では、学校から全てに一律に求める必要はないとされています。保育所のガイドラインでも、医師の意見書や保護者の登園届は、一律に必要なものではなく、各保育所で決めるとされています。
実際に書類が必要かどうかは、学校や園ごとに異なります。通っている学校や園に確認してください。
あわせて読みたい記事
高熱のときに家にある市販の解熱剤を使ってよいかは、こちらの記事にまとめました。
https://note.com/crisp_stilt8841/n/n28f99f53666c
インフルエンザのときの子どもの見守りについては、こちらの記事をご覧ください。
https://note.com/crisp_stilt8841/n/nf83873659e28
迷ったら、カレンダーを持って相談を
登校できる日に迷ったら、カレンダーに「熱が出た日」と「熱が下がった日」を書き込んでから、学校や園、受診先に聞いてみてください。
薬のことで迷ったときは、薬局でもご相談を受けています。
熱が下がった朝は、元気が戻ってうれしい朝です。その日を0日目として、もう少しだけゆっくり休ませてあげてください。
諸岡調剤薬局 薬剤師 山本
※この記事は一般的な情報を提供するもので、個別の診断や治療に代わるものではありません。必要に応じて医師または薬剤師へご相談ください。
参考にした一次情報(2026年10月28日確認)
e-Gov法令検索「学校保健安全法施行規則」第19条
https://laws.e-gov.go.jp/law/333M50000080018
公益財団法人日本学校保健会「学校において予防すべき感染症の解説〈令和5年度改訂〉」(令和6年3月発行)
https://www.gakkohoken.jp/book/ebook/ebook_R050080/data/670/src/670.pdf
こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」(2023年5月一部改訂、2023年10月一部修正)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/20231010_policies_hoiku_25.pdf